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パブリシティ

飲食店経営12月号

第0回 新規出店のための「虎の巻」が入っている玉手箱を開けないでください!

このたび、月刊『飲食店経営』から、新規出店に関する資金調達をスムーズに行うための秘伝を、ぜひ、書いてほしいとのご要望がありました。
そこで、今回は、資金調達の達人になるための「虎の巻」を伝授したいと思います。その内容はとても役に立ちますので、取り扱いには十分に注意していただければと思います。

さて、「虎の巻」を暴露する前に自己紹介をしますね。

私は2年前まで銀行融資トップ営業マン(?)でした。
従って私の体の中は、融資ノウハウの「虎の巻」なのです。「虎の巻」が入っている玉手箱の中身を見てみたくないですか?
来年、新規出店を進め、自分の事業を拡大していきたいと思っている社長や財務担当の方は必見です。

今回の連載第0回は、137ページ掲載の「2008年 銀行借り入れ月次スケジュール」に基づく、概説です。来年の1月号から12回の連載により、1年間をかけてすべての「虎の巻」を披露していきたいと思います。
もちろん、事例も含めながら詳しく話をしていきます!
1年後、間違いなく、読者の皆さま方は「資金調達の達人」となっているでしょう。

さて、「虎の巻」を深く理解する上で準備体操をしたいと思います。
では、質問です!

質問1:銀行融資担当者はどのような稟議書を書くのでしょうか?

以下の項目から、これだと思うものを10個選んでください。正解が70%以上の方は、今から「虎の巻」を伝授してもいいでしょう。

以下の項目から、必要と思われるものを10個選んでください。

  1. 社長が保有する自動車の車種
  2. 社長の友好関係
  3. 本社の整理整頓状況
  4. 会社概要や取り組み方針
  5. 案件の取り上げ理由
  6. 会社業績・経理状況
  7. 各店舗の収支状況
  8. 各店舗の客単価、坪売上げ、人件費
  9. ローコストオペレーションかどうか
  10. 資金繰りや銀行取引の状況
  11. 新規出店の事業計画の内容
  12. 借還能力・銀行取引状況
  13. 銀行の保全状況
  14. 店舗の店長がイケメンかどうか
  15. 競合他社との比較
  16. 社長の右腕の人がいるかどうか
  17. メニュー構成が良いかどうか
  18. おいしいかどうか
  19. 掲載された新聞記事
答え

一般的な答えは4~13の10項目。
その他の項目も、ケースバイケースで稟議書に記載されます。ただし、4~13は、間違いなく稟議書に記載されますので、この項目はしっかりと説明しましょう。

正解が70%未満の方は、この機会に勉強してくださいね。4~13の項目は、絶対に、しっかりと銀行に話せるようにしておきましょう。

なぜなら、私が銀行員時代のことです。ある飲食チェーンの社長が、「最近の銀行員は、うちの会社のことを全く分かってくれない!」とぼやいていたことがあります。でも「どの銀行員も、一般的にこのようなことを稟議書に記載するのですよ!」と話したところ、後日、その社長から、「嶋司さんからアドバイスを受けたように銀行員に事業計画などを説明したら、今まで以上に興味を持ってくれ、理解もしてくれた」との電話連絡の報告があったからです。

では、4~13の項目を簡単に説明しますね。

4:会社概要や取り組み方針
会社パンフレットの概要や具体的な社長の経歴・株主構成など。
与信状況を勘案した当面の取引方針。今後の取引見込みや取引メリットなど。
5:案件の取り上げ理由
なぜ、この案件を取り上げるのかを記載。
例えば、今後、新規出店に伴う融資の取引拡大ができるとか収益性が高いなど。
6~10:
会社の特徴や過去3年および直近の業績、および店舗別の業績動向。
なお、財務分析は、同業他社と比較して良いのか悪いのかの分析もします。
11:新規出店の事業計画の内容
会社が作成した事業計画のまとめ。
その事業計画の妥当性についての検証。
12:償還能力・銀行取引状況
会社全体の償還能力やメイン銀行などの取引状況。
13:銀行の保全状況
与信額に対する保全状況(他行の保全状況も含む)。

その他として、メディアで取り上げられた時の記事などは稟議書に添付するケースが多いので、どんどん銀行にアピールしましょう。

また、新しい銀行と取引する場合、銀行は調査会社の企業情報資料を徴求したり、風評チェックも行います。その時に、1~3のことも記載されるケースがあります。なお銀行の審査部は保守的に稟議書を見ます。特に、外食産業は、三重苦(食材費・人件費・家賃のアップ)で厳しい業界と見られるときもあります。 しかし、この三重苦の対策を具体的に説明できれば、逆に審査部からの評価は、グンと上がることは間違いないでしょう。本当ですよ!

質問2:銀行との付き合い方はどうすればよいか?

以下の項目から、これだと思うものを5個選んでください。今回も、70%以上、正解してくださいね。

以下の項目から、該当すると思われるものを5個選んでください。

  1. 毎月、支店長を接待する
  2. 銀行担当者とは仲良くしなくてもよい
  3. 毎月、試算表を提出する
  4. 毎月、資金繰り実績予想を提出する
  5. 毎月、月次試算表・店舗別損益の説明をする
  6. 必ず、決算説明は行う
  7. 複数の銀行と付き合う
  8. 銀行は1、2行で十分
  9. メガバンクのみと付き合えばよい
  10. メガバンクのシェアは50%欲しい
  11. お店の紹介はしなくてよい
  12. 新しい担当者に、会社の説明をする必要はない(銀行の上司が説明すればよい)
  13. 銀行の担当ラインには年賀状を出す
  14. 支店長に新年のあいさつをしなければならない
  15. お付き合いで、個人的な預金取引などをするべき
  16. 相性が悪い担当者は変更してもらう
  17. お店の割引券を渡した方がよい
  18. 支店長とはゴルフをするべき
  19. 支店長にお歳暮を出すべき
  20. 借り入れ申し込みは2週間前で十分
答え

一般的な答えは3~7の5項目。
でも、もしかしたら、ゴルフ好きの支店長の場合、一緒にゴルフをすることで、今まで以上のコミュニケーションが取れ、会社の状況を深く理解していただける可能性もあるかもしれませんね。

では、3~7の項目を簡単に説明しますね。

銀行員との付き合い方

お客さまと銀行は、お互いの信頼関係から成り立っていますので、定期的に月次試算表に基づいた業績(店舗別の損益含む)については説明しましょう。
もちろん、決算説明の時は、必ず銀行支店長に、直接、社長が説明する必要があります。できれば、四半期ごとの説明がベストではあります。

なお、支店長を接待する必要はありませんが、銀行の支店長とは定期的に会って、支店長が決裁できる融資の上限金額を把握しておきましょう。
そうすれば、急に銀行借り入れをするとき、スムーズな資金調達の計画が立てやすいからです。本部の審査部案件の場合、借り入れ申し込みをしても回答が1ヶ月近くかかってしまう場合もあるからです。注意してくださいね。そう考えると、複数の金融機関と取引し、支店長権限の融資枠を増やしておくのはとても良いことだと思います。

また、メインバンクだけに頼り過ぎず、メインバンクでも全体の借り入れシェアは30%程度に抑えることをお勧めします。なぜなら、シェアが40%以上になると、メインバンクとの借り入れ条件の交渉面で不利になるケースが多いからです。

質問3:銀行員にはどのような印象を与えればよいのでしょうか?

例えば、3タイプの社長がいると仮定します。

銀行員は、新規でお付き合いする場合、社長の人物像などを勝手に考えて、稟議書に記載することがあります。「若いけどしっかりしてますね」とか、「見た目と違い、堅実ですね」とか、必ず、支店長と担当者はこのような会話をしています。
そこで、まず自分がどのタイプの社長かを選んでみて、どのようなコメントをしたら、もっと良い印象を与えることができるかを考えてみましょう!

では、以下の項目から、これだと思うものを2個選んでください。

以下の項目から、必要と思われるものを2個選んでください。

  1. 企業理念の話
  2. 人材育成の話
  3. ローコストオペレーションの話
  4. 商品開発の話
  5. 新規事業の話
  6. 財務分析の話
答え

一般的な答えは以下の通りです。
Aタイプ(茶髪の若手社長)
1 企業理念の話
6 財務分析の話

Bタイプ(職人上がりの社長)
2 人材育成の話
3 ローコストオペレーションの話

Cタイプ(2代目社長)
4 商品開発の話
5 新規事業の話

銀行員には強い思い込みがあります。
例えば、茶髪社長は財務分析が不得意とか、職人上がりの社長はローコストオペレーションができないとか、2代目社長は創造力があまりないとか、勝手な思い込みがあります。
ですので、その思い込みを逆手に取って、各項目の話ができたら、間違いなく好印象を得られるでしょう。


いかがでしたでしょうか?
以上の3問で、平均70%以上の正解ができましたでしょうか?

では、新年の1月号から上記の「2008年 銀行借り入れ月次スケジュール」の通り、事例を踏まえながら「虎の巻」を披露していきますね。

さて、来年1月号からの連載の内容は、次の通り進めていきます。
現在、都内で注目されている居酒屋チェーンの若手社長(*)は、来年1年間で5店舗の新規出店を計画し、「2008年 銀行借り入れ月次スケジュール表」を策定しました。
若手社長はその計画を達成するため「資金調達の達人」になるべく、月刊『飲食店経営』が提供する「虎の巻」を勉強し、1年後、見事に目標を達成します。

そのサクセスストーリーを、具体的な事例を取り上げながら記載していきます。

楽しみにしてくださいね。

(*)注目の若手社長の会社概要
会社名/㈱繁盛商会
既に、都内に5店舗(年商5億円、3月決算)経営。
5年後に、50店舗、年商50億円を目指し、株式公開も視野に入れている。
08年の1年間で、5店舗の新規出店を計画。
そこで、07年12月より、本格的な銀行借り入れの戦略を練っている。

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