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パブリシティ

飲食店経営1月号

第1回 銀行員との付き合い方 基本編

元銀行トップ営業マンの嶋司貴裕です。私は『飲食店経営』編集部より特命を頂き、飲食店経営者にとって営業基盤をつくる上で最も重要な、新調達を有利に進めるためのノウハウを執筆することになりました。
これから1年間かけて、読者の皆さんを「資金調達の達人」に導きますので、一緒に頑張っていきましょう!

さてこのストーリーは、年商5億円の㈱繁盛商会(*1)の、資金調達の対策を事例として展開していきます。2007年12月号の連載第0回で出題した問題は簡単でしたか?どんな問題だったか忘れた方は、復習してから今月号に臨んでくださいね。

では、今月は「銀行員との付き合い方 基本編」について話します。なぜなら、繁盛商会の若手社長、繁盛実氏はスムーズな資金調達を行うためには、銀行員と十分に意識を分かち合う必要性を感じていたからです。
繁盛社長は、今年1年間で5店舗新規出店することを、新年会で社員一同に宣言し、社員の目の輝きをひしひしと感じていました。繁盛社長の運命は?

なぜ、銀行員と意識を分かち合う必要があるのか?

さて、今月も質問です!
なぜ、銀行員と十分に意識を分かち合う必要があるのでしょうか?下記の中から、これだと思うものを3つ選んでください。

以下の項目から、必要と思われるものを3つ選んでください。

  1. 支店長と仲良くなれば融資が受けやすいから
  2. 銀行員はサラリーマンだから
  3. 銀行員は無責任だから
  4. 銀行員は人間だから
  5. 銀行員は好き嫌いがあるから
  6. 銀行員は接待に弱いから
答え

一般的な答えは1,2,4です。
銀行員は大組織の中で働いています。例えば、支店では支店長、課長、担当者といったラインがあります。従って、支店長に会社の強みを理解してもらうのが、資金調達をスムーズに取り組める早道です。そして、担当者が稟議書を書きやすい店舗別の資料を提出したり、支店長だけでなく、課長、担当者に対する気遣いも行うことで、がぜん担当者は、自分の会社のことを前向きに稟議書に書いてくれることになるでしょう。

実際、銀行では次のような事例がよくあるようです。これは、ある飲食チェーンの社長から聞いた話です。

「会社が小さかったころ、支店長とは定期的に会って業績の説明をして、リレーションは良好だったが、徐々に店舗数が多くなり、支店長に会う機会も減った。その後、支店長が交代した途端、会社に対する融資姿勢が厳しくなった」

これは、どういうことでしょうか?

銀行では移動が定期的にあります。担当者が優秀で、自分の会社の強みや弱みなどをしっかりと理解してくれていれば、支店長が交代しても問題ないでしょう。
しかし、若い担当者や経験が浅い担当者の場合、新しい支店長に、詳しく自分の会社のことを説明できない場合があります。もしかしたら、間違った情報を話すこともあります。銀行員は頭が良いので、間違った情報を話すなんてあり得ないと思ってはいけません。一度、担当者に会社の強みや弱みを質問してみてください。意外と、答えられないケースが多いようです。
一方、銀行員との付き合い方を理解して、スムーズな資金調達に成功した社長もいます。

資金調達をスムーズにできるこつは何か?

ではなぜ、スムーズな資金調達をすることができたのでしょうか?以下の項目から、これだと思うものを3つ選んでください。

以下の項目から、必要と思われるものを3つ選んでください。

  1. 誰でも分かる会社資料を作成していたから
  2. 企業格付け対策(*2)をしていたから
  3. 事前に年間計画を説明しており、銀行の取り組み方針が既に決まっていたから
  4. 銀行の営業目標と実績の進捗状況を把握していたから
  5. お店の常連になってもらっていたから
  6. 毎月、月次店舗損益の実績を説明していたから
答え

一般的な答えは1,2,6です。
銀行では定期的に人事異動があります。
従って、人が替わるたびに方針が変わってしまうのではたまりません。スムーズな資金調達をしている社長は、事前に年間の事業計画を説明し、銀行からある程度の取り組み方針を設定してもらっていました。そうすれば、人事異動があっても、へっちゃらです。また、月次で業績の説明もしており、信頼関係も抜群でした。さすがです!

さて、支店長の交代で融資姿勢が厳しくなり困っていた繁盛社長は、その後、新しい支店長と話し合ったそうです。
数ヶ月後、今まで通り、スムーズな資金調達ができたそうです。でも、何で融資姿勢が厳しくなったかはよく分からなかったそうですが、多分、新規出店の何店舗か苦戦していたところだったような気がするそうです。新しい支店長に、赤字店舗の改善策を話したところ、好感触だったそうです。すべては、お互い人間なのでリレーションを維持していく必要性があるのですね。

いかがでしたでしょうか?

この1月号では2つの質問をしました。「そんなこと知っているよ」という読者の皆さんは、さらなるレベルアップを図っていきましょう。しかし、正解率700%に満たなかった方は、実際、資金調達に苦戦しているこもしれませんね。繁盛商会の繁盛社長は、正解率50%でした。このままでは、店長候補のモチベーションの低下にもなりかねないので、ちょっとあせった繁盛社長でした。
では、来月2月号では「企業格付け対策」について説明します。特に、経理財務の役員は、特に必見です!

*1 ㈱繁盛商会
既に、都内に5店舗(年商5億円、3月決算)経営。5年後に50店舗、年商50億円を目指し、株式公開も視野に入れている。2009年の1年間で、5店舗の新規出店を計画。そこで、08年の年初より、本格的な銀行借入の戦略を練っている(架空の飲食企業)

*2 金融機関が付ける企業の“内申書”のようなもので、各金融機関が取引先企業の今後3~5年間における信用力をスコアリングして10~15項目に分類すること。各金機関が独自のスコアリングシート(得点表)を使用して、最低で年1回、企業の決算書を受け取った際などに行われている。金融機関が負う「信用リスク」、つまり取引相手の契約不履行により、債権が期日に全額回収できなくなるリスクを的確に管理する体制を構築するために行われる。

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