第8回 財務担当責任者の重要性
今月号は「財務担当責任者の重要性」です。
さて、この連載では若手社長が経営する会社を主に想定しています。
店舗数も7店舗になり、今年中に10店舗、年商10億円まで道が開けてきました。最近はメディアでも注目を浴びる成長企業として、認知されるようになってきた、と仮定します。
しかし、この規模になると、社長の肌感覚での会社運営は困難となってきます。しかし、毎月、銀行借り入れ割賦の返済、リースの資金面での支払いは待ってくれません。そんなときには、なぜか、不採算の店舗も出てきます。そうなると、社長は不採算店舗のてこ入れと同時に新規店舗出店の準備、さらに、店長・従業員の悩みの相談役、時には子供の運動会への出席など、目の回るような日々を過ごすこととなります。
そのとき、ふと、社長はこんなことをかんがえてるでしょう。「お金の面ですべてを任せられるやつはいないかな」と。社長が熱望するやつとは、世の中でいえば「財務担当責任者」のことです。社長は、いかに優秀な「財務担当責任者」を育てられるか、採用できるかが、さらなる会社の成長を加速できるかどうかの鍵となります。
また、万が一、会社業績が不振のときの、資金の繰り回しなどにも力を発揮します。そう考えると、とても重要な役割を果たしているのです。
早速、今月も質問です!
質問1:財務担当責任者はどんなことをしてくれる人でしょうか?
以下の項目から、必要と思われるものを3つ選んでください。
- 社長業に専念できるようにしてくれる縁の下の力持ち
- 時代の流れを読み、資金繰りの予想などの策定が得意
- 金融機関との付き合いが上手で、資金調達も上手にこなす
- 社内外の潤滑油的な役割をこなしてくれる
- 税理士などの対応をしてくれる
- 決算書を作ってくれる
一般的な答えは1~3です。
その他の項目も重要ではありますが、1~3をこなしてくれる人が真の財務担当責任者でしょう!
さて、突然、経理の責任者から、「今月、資金繰りが厳しいかも!」と言われた経験はないでしょうか?必ず、1,2度は経験されている社長は多いと思います。こんなことでは財務担当責任者は失格ですね。でも社長は、うちの会社も大きくなったので有名な会社の経理財務の経験者や会計事務所出身の方を採用したのになぜ?と思ったでしょう。
以前、私が銀行に勤めていた時、ある飲食チェーンの管理部門担当の常務が、大手企業出身の方はなかなかなじまないと話してしたことを覚えています(しかし、私は、例外も多いと思っています!)。
質問2:では、どんな人を採用すればいいのでしょうか?
以下の項目から、適当とおもわれるものを3つ選んでください。
- 粘り強く、やり抜く力強さがある人
- 運が良く、勘が冴えている人
- 客観的に、多方面に物事を見極められる人
- お酒が強く、よく遊ぶ人
- 学歴が高い人
- まじめな人
一般的な答えは1~3です。
1は、とても有効です。
「まじめ」は悪いことではありませんが、その度合いが強いと、完ぺきな数字を追求するため経営指標の数字を出すのが遅かったり、予想より実績の数字を重視する傾向があります。そうなると逆効果になることもありますので、注意が必要です。
ちなみに、私が銀行員時代、この財務担当責任者はすごい!と思ったことがあります。
その方はある不振企業の整理のためにメインバンクから出向されていた方で、その後、銀行を退職され、現在は上場会社の管理部門の責任者として活躍されています。
もちろん、この方は金融のスキルも十分にあり、さまざまなマネジメントの経験も豊富なので、誰もが魅力的と言うでしょう。しかし、そうして、本当にすごい!と思ったかというと、何か「運」の良さ、「運」をつかむ力を持っているオーラが出ていたからです。今でも理由は分かりません。その後、その方は債権者などの利害関係者の調整を次々と終わらせ、短期間で任務をやり遂げてしまいました。これは銀行内部でも難しいと言われていたもので、この方は間違いなく「運」を兼ね備えていると感じたことを思い出します。
すみません。少し話しがそれましたが、特に、お金にかかわる重要なポストである財務担当責任者は、社長から見て、こいつは会社に「運」や「つき」を呼び込む何かがある!と思える人であることも重要と思います。
質問3:財務担当責任者には、具体的にどのような仕事をお願いすればいいのでしょうか?
以下の項目から、必要と思われるものを1つ選んで下さい。
- スムーズな資金繰りの運営
- 資金調達の拡大
- 決算対策
- 銀行の支店長の接待
- 資金繰りの表の作成
一般的な答えは1。
もちろん、2,3も重要ではありますが、企業は資金繰りがうまくいかなければ、黒字倒産してしまいます。
ちなみに、1を行うためは、きちっと、予算実績管理なども行っておく必要がありますね。
ちなみに、スムーズな資金繰りの運営といっても、実は、その裏側にはさまざまなドラマがあります。
飲食店は日銭商売ではありますが、しっかりと、現金管理をしなければ、会社の銀行口座にお金は入ってきません!
前日、15万円の現金売上げがあるのに14万円しか入金されていない?そんな経験はないですか?
多店舗展開をしていくと、スムーズにお金が集まる業務フローの改善が必要で、改善のためにはさまざまな部署の方の協力が必要です。
財務担当責任者にとってのコミュニケーション能力は必須です。そう考えると、とても難しい仕事ではありますが、やりがいのある仕事でもあるといえるでしょう。
では、来月の9月号では「自己査定とは?」について説明します。お楽しみに!特に、経理財務の役員は必須です!特に経理財務の役員の方は必見です!






