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パブリシティ

飲食店経営10月号

第10回 銀行員との付き合い方 上級編

今月号は「銀行員との付き合い方 上級編」です。既に読者である若手経営者の方は、今年の1月号で「銀行員との付き合い方 基本編」を学び、スムーズな資金調達を達成しているものと思われます。さらに今回の上級編でレベルアップしましょう。

1月号では、スムーズな資金調達のコツは
(1)銀行の支店長とそのラインの方に「会社の強み」を理解してもうらうこと、
(2)銀行担当者が稟議書を書きやすい資料を提出すること、
(3)社長が定期的に決算説明や業績説明をすることでした。

私が銀行員時代、ある飲食チェーンの社長からこんなことをいわれました。ちなみに、当時の私は新規開拓の営業マンとして1年も経過していないころで、なかなか成績が上がらずに悩んでいました。その社長からは「本当に私たちと付き合いたいという熱意があれば、その熱意は伝わる。また、あなたが作成する融資の稟議書にもその思いが反映し、過去の業績以上に『これから期待できる会社』として銀行の上司や審査部に伝わる。僕は今までさまざまな銀行担当者とお付き合いをしたが、他の優秀な銀行担当者は、その熱意がすごかったよ」との言葉を頂きました。

その時、私は、優秀な銀行担当者とは、熱意で個性的な社長とも打ち解け、会社の強みを理解し、銀行内の調整をし、融資の契約まで持っていくものだと学びました。

しかし、熱意を持った優秀な銀行員はどこにでもいるものではなく、定期的に人事異動がある銀行では、必ずしも社長と相性が良く、熱意を持った銀行員が担当するとは限りません。そこで、こんな銀行担当者の場合には、次のような対応を心掛けてください。

では、今月も質問です!

質問1:次の3タイプの銀行担当者がいます。
A、B、Cの担当者によって、どのような対策を講じればよいでしょうか?

Aタイプ(ステレオタイプ銀行員)
資料ばかり要求して、業績の話などあまりしないタイプ。
Bタイプ(受け身タイプ銀行員)
何でも、上司と相談して回答しますと言うタイプ。
Cタイプ(生意気タイプ銀行員)
業界の知識もないのに、あれやこれや生意気なことを話すタイプ。

以下の項目から、各タイプにどのように対応するか、それぞれ1つ選んでください。

  1. 取引することで、こんなメリットがあることをアピールする。
  2. 担当者の上司を担当者にしてしまう。
  3. その銀行員とは深く付き合わない。
  4. 会社の概要や強みを文書にして説明する
  5. 担当者を交代してもらう。
答え

一般的な答えは以下の通り。
Aタイプは4、B対応は2、Cタイプは1。

私が銀行員時代、さまざまな先輩、同僚、後輩の営業担当者がいました。

Aタイプは、会社と共に成長しようとはあまり思わず、無難にこなしていこうと、形式的な資料の徴求を仕事と思ってしまうタイプ。このタイプの対策は(4)の通り、融資の稟議書でも形式的なものを重視する傾向があるので、要求された資料を提出しましょう。

Bタイプは、自分の意見を言わず、「上司と相談します」と言う担当者です。なるべく上司にも担当してもらいましょう。担当者だけとの面談はなるべく避けます。

Cタイプは、若手に多い傾向です。自社と取引するとメリットがあることを理解してもらいましょう。将来の目標ができると、生意気タイプは「味方」にもなりやすいのです。

なお、1つ弁解しますが、世の中には熱意のある優秀な銀行員もたくさんいます。

質問2:担当者のタイプにより、融資のお願いの後のフォローはどのようにすればいいでしょうか?

以下の項目から、必要と思われるものを3つ選んでください。

  1. 融資をお願いする場合、いつまでに回答してもらえるのか確認する。
  2. 担当者だけでなく、できれば支店長にお願いする。
  3. 定期的に連絡をして進捗状況を確認する。
  4. 担当者が、どのような案件を抱えているのか、忙しいかどうかなどを確認する。
  5. 支店長を接待する。
  6. 複数の金融機関にお願いする。
答え

一般的な答えは1、2、6。
もちろん、3の進捗状況を確認する必要がありますが、リスク分散を図るために、融資は複数の金融機関にお願いしましょう。

ちなみに、銀行担当者はあなたの会社のみを担当しているわけではなく、少なくとも50~100社を担当しています。景気低迷時には、担当会社の中から業績悪化の会社も出てきます。すると、どうしても前向きな仕事への着手が遅れてしまう傾向があります。昔は徹夜してでも稟議書を作成している人もいましたが、今では何時までに退社するようにといった支店長からの指示もあります。そうなると、担当者はこの案件は上司が知らないので、ちょっと後回しにしようかと思う傾向もあるようです。そう考えると、早めに相談をする必要があることが分かりますね。

質問3:どのくらいの数の銀行とお付き合いをすればよいのでしょうか?

以下の項目から、必要と思われるものを1つ選んでください。

  1. 信用金庫、地銀、都銀を含め、5行以上の複数取引。
  2. 基本的に1と同じだが、都銀は規模が大きく冷たい感じなので、信金、地銀中心の取引。
  3. 昔から付き合いのあった金融機関と深く付き合う。2、3行の金融機関だけで十分。
答え

一般的な答えは1。
時間的にも大変ではありますが、メリハリをつけてたくさんの金融機関と付き合いましょう。

ただし、ある程度、メイン、準メイン、その他など取引順位は決めておく必要があります。メインでも銀行借り入れのシェアは30%台までに、準メインは20%台。また信金、地銀、都銀と幅広く付き合う方がよいのです。信金、地銀は地元企業への融資姿勢は積極的ですが、情報網が少なかったりします。都銀は規模も大きく資本力もあるため、多少過去の不良資産があってもその整理ができ、本業での儲けが安定していれば、繰越損失があっても取引してもらえるケースが多いです。細かいところで審査の仕方が違っているので、さまざまな業態の金融機関、複数の金融機関との取引は必須といえるでしょう。

11月号では「銀行向け決算・企業格付けへの対策準備」について説明します。

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