第10回 儲かる「バックオフィス」のつくり方
今月号は、バックオフィス部門の経営企画部門への転換を図るための「情報開示の重要性」について説明します。
情報開示とは何? バックオフィス部門は、いつも数字を扱っているので情報開示しなくても知っているはずだと思っている社長!大きな間違いです。
では、早速、質問です。
質問1:一度、バックオフィス部門の皆に、以下の事項について質問をしてみてください。
- 前期決算の売上げ、荒利、営業利益、経常利益の金額は?
- 最近の月次売上推移の金額は?
- 最近のF/L比率は?
- 銀行借入残高は?
- リース、割賦残高は?
- 毎月の銀行借入、リース、割賦返済金額は?
- 各店舗の店長名は?
- 黒字店舗、赤字店舗は?
- 赤字店舗の改善状況、対策は?
- 毎月、どのくらい利益を確保しないと資金繰りが回らないか?
10問中、最低7問以上できないと、会社のことを理解していないといえるでしょう。
数字を扱っているバックオフィスの社員が、上記の質問に答えられなくてはいいアイディアが出てくるはずがありません。
もしかしたら、会社方針として、バックオフィスの社員は数字だけ取りまとめていればいいと思っているかもしれませんが、そのような考えではいつまでたっても、社長と一部の社員だけがドタバタしているだけで業務改善はできません。
さて、バックオフィスに従事する人物像は、まじめで職人的な気質を持っている性格の人が多く事務作業をスピーディ、かつ、正確な処理をする ことを優先させようとします。その結果、バックオフィスの各部門の連携が薄れ、まずは、自分の業務を終わらせることに集中してしまいます。
そこで、社長や管理部門の統括責任者は、バックオフィスの各部門の意見を調整したりするケースが多いでしょう。ある社長からは、「何で各部門の社員は理解してくれないんだ」と愚痴を言われることもあります。
しかし、本件は、「会社の数字」についてお互いに理解していないことが原因と思われます。バックオフィス部門の各社員が「会社の数字」を理解していれば、今、何をすればよいのか、などの1つの方向性に目を向けることができます。一度、経理財務の社員に、先月の売上数字を聞いてみてください。残念ながら答えられない社員がいます。社長! ショックかもしれませんがそれが現実です。従って、先ほどの質問で70%以下の回答率の場合は、以下の対策をしていきましょう。
その対策は、「情報開示」です。経理財務部門の社員は、毎月、月次試算表を作成しているので、情報開示をしていると思っているかもしれませんが、各人がその数字を理解することが、本当の情報開示といえるでしょう。従って、毎月、社長、バックオフィスの責任者(CFO)、経理財務、総務、人事労務の社員は、会議をしてみましょう。
このような、コミュニケーションの場が、社長とバックオフィスの社員でできるようになれば、会社の進むべき方向性について皆が理解していきます。
その結果、間違いなくバックオフィス3部門の社員の答えも1つにまとまりやすくなるでしょう。そうなれば、今まで社長やバックオフィスの責任者が費やしていた調整する 時間もなくなります(かなり、うれしくないですか!)。
この会議を行うポイントは以下の通りです。
①初めから、社員の皆から意見が出るとは思わないこと。
②皆を育てる大きな気持ちで接すること。
③今まで社長の独断で決めていたことを、事前に皆の意見も聞いてみる機会を持ちましょう。
質問2:では、次に、バックオフィスの社員が、本当の情報開示を理解するためにはどのようなことをすればようでしょうか。
次の項目から1つ選んでください
- どんなスキルを身に付けたいのか、社長はバックオフィスの社員と面談。
- 店長会議にバックオフィスの社員も出席してもらう。
- 同業他社の料金、チラシなどを研究してもらう。
- 上場会社の既存店、客単価の推移を比較してもらう。
- 銀行向けの決算説明の資料を作成してもらう。
答えは(5)です。
もちろん、他の項目も重要ですが、再度、儲かるバックオフィスを目指すには、数字のプロの銀行員に理解しやすい資料作りや、コミュニケーションスキルが必要となります。
これができれば、本当の情報開示の意味を理解することができるでしょうか。ただし、いきなり若手社員などにさせるのは難しいので、月次試算表の説明の機会などを生かし、どんどん、しゃべらす機会を与えましょう。
さて、最近、私に次のようなことを質問してくる社長がいました。「自分は数字が苦手だし、バックオフィス会議の議題をどのようにすればいいのかも分からない」とのことでした。
答えは簡単です。社長が知りたいことを個条書きにすればよいのです。意外と、バックオフィスの社員は一生懸命考えますよ。ぜひ試してみてください。
では、11月号では、バックオフィス3部門の連携をどうすればいいのか、その相乗効果の事例などについて話していきます。ぜひご期待ください。






